トリプルネガティブ乳がんとは?
乳がんは、がん細胞が持つタンパク質により、主に5つのタイプに分けられます。そのひとつがトリプルネガティブ乳がんです。
トリプルネガティブ乳がんは、細胞の増殖能力や3年以内の再発率が他の乳がんよりも高いことで知られ、効果的な治療薬も限られています。
というのも、細胞に「ホルモン受容体」と「HER2(ハーツー)」というタンパク質が存在しないため、ホルモン療法や「トラスツズマブ(HER2と結合して機能する抗がん剤)」の効果がありません。
また、若年性乳がんに多く見られるのも特徴です。
乳がん細胞だけを攻撃できる「ミツバチ毒」
研究チームは、西オーストラリアやアイルランド、イングランドに生息するミツバチから毒を採取しました。
手順としては、二酸化炭素でミツバチを眠らせて、毒を抽出するまで氷の上に寝かせておきます。その後、採取した毒を乳がん細胞に打ち込み、効果をテストしました。
その結果、特定の濃度に設定したミツバチ毒は、注入後60分以内でトリプルネガティブ乳がんとHER2型乳がんを100%の確率で死滅させました。
また、設定された濃度では、正常かつ健康な細胞に害はなく、乳がん細胞だけを攻撃しています。