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特にデリケートな部分がかゆいときは皮膚摩擦が推奨される/Credit:depositphotos
biology

ずっと謎だった「体中の皮膚を擦ると”かゆみ”が治まる効果」が証明される

2020.09.09 Wednesday

かゆみを止めるためには患部を爪で引っ掻くのではなく、別の皮膚を擦るだけで効果があるという研究結果が発表されました。

9月7日に「Journal of Neuroscience」に掲載された論文によると、かゆみを脳に伝達する「かゆみ経路」が、別の場所の皮膚摩擦によって抑制されることが示されたのです。

蚊による虫刺されに爪でバッテンマークをつけるのは、もう時代遅れになるのかもしれません。

neurosciencenews https://neurosciencenews.com/rubbing-itch-16980/

化学物質の注射でマウスは全身を引っ掻きはじめた

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かゆみを誘発する化学物質を注射されたマウスは体を盛んに引っ掻きはじめる/Credit:九州大学

かゆみは、皮膚トラブルの最も典型的な例であり、古くから多くの対症療法が考案されてきました。

その中で、最も簡単で安全かつ効果的な方法として、皮膚摩擦が知られています。

かゆみを感じる時に、体のあちこちの皮膚をこすると、自然とかゆみが緩和されていくという不思議な現象が起こるのです。

しかしながら、この摩擦によるかゆみ抑制の背後にあるメカニズムは判明しておらず、経験的な医療として考えられてきました。

そこで今回、研究者たちは皮膚摩擦がかゆみを抑制する仕組みの本格的な解明を試みました。

実験にあたってはまず、マウスにかゆみを誘発する化学物質を注射。すると化学物質によりマウスは凄まじいかゆみに襲われ、激しく後ろ足で体を引っ掻くような動作をはじめます。

このときマウスの脊髄を生きたまま開いて神経活動を覗きみると、かゆみを脳に伝達する脊髄の「かゆみ経路」が大きく活性化している様子が観察されました。

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