30年前に提唱された仮説
これについて、ドイツ人科学者のホディックとシーバースは、1988年に「カルシウムイオンの濃度変化が関係しているのではないか」と推測しました。
彼らの仮説は以下の通りです。
・ハエトリソウの感覚毛を刺激すると電気信号が発生し、細胞内のカルシウムイオン濃度が上がる
・放出したカルシウムイオンは蓄積し、ある一定の閾値を超えると葉が閉じる
・1回目の刺激だけでは閾値を超えず、もう1度刺激を与えなければならない
・カルシウムイオン濃度は徐々に減少し、30秒以上経つと、2回目の刺激を与えても閾値を超えなくなる
2人のアイデアは当時から説得力のあるものでしたが、カルシウムイオン濃度の変化を測定する方法がなく、30年以上にわたり実験されてこなかったのです。