仮説は正しかった!日本の研究グループが証明
そこで基礎生物学研究所の研究グループは、カルシウムイオンの濃度変化を測定するべく、ハエトリソウに「GCaMP6f」というタンパク質の遺伝子を組み込みました。
このタンパク質は、カルシウムイオンと結合することで緑色に発光するため、濃度変化を可視化することができます。
これをもとに実験したところ、1回目の刺激では、感覚毛から葉表面に蛍光反応が広がりました(下図の一番上)。しかし、時間が経つにつれて、蛍光範囲は減っていきます(真ん中の列)。
30秒以内に2回目の刺激を与えると、蛍光反応は強くなり、葉が勢いよく閉じました(一番下の列)。
これはカルシウムイオン濃度が閾値を超えたことを示します。
一方で、ホディックとシーバースの仮説の通り、1回目の刺激から30秒を超えると、カルシウムイオンは大幅に減少し、2回目の刺激を与えても葉は閉じませんでした。
これは刺激量がある閾値を超えなかったことを示しており、2人の仮説が正しかったことが証明されました。
研究チームは今後、葉の動きとカルシウムイオンの関係をより詳しく調べることで、食虫植物の進化プロセスを解明していく予定です。
その結果の応用次第では、普通の植物を動かせるようになるかもしれません。