恐竜繁栄時代に起きたもう1つの大量絶滅
「Bagualia alba」が発見された層は、他の恐竜たちが謎に包まれて消滅した直後の1億7900万年前のものだと判明しました。
つまりここが転換点だった可能性が高いと考えられるのです。
研究者はこの時代の気候変動、植物化石の変化などについて調査を行いました。
約1億8000万年前の時代を調べると、多様で豊かな植物が育つ温帯で多湿な気候が失われ、季節性の強い高温で乾燥した気候へと急速に変化していたことがわかります。
このような気候変動の原因は火山活動の活発化に伴う、温室効果ガスの増加だったと考えられているのです。
ジュラ紀前期末に起きた火山活動の痕跡は、アフリカ南部を始めとする多くの地域で発見されています。
これはトアルシアン期海洋無酸素事変としても知られていて、この時期に大規模な火山活動の活発化と気候変動が起きたことは確かだと考えられます。
その結果、植物の多様性は失われ、それまで支配的だったシダ、ソテツ、イチョウといった植物は失われ、代わりに温暖な気候にも強い針葉樹が地上を支配していきました。
棘のような葉や鱗のような葉を持つ針葉樹は固くて消化が難しいため、小さい動物たちの胃袋では栄養を得ることは難しかったと考えられます。
このような植物から効率的に栄養を得られるのは、大きく強力な消化器官を持つ5トン以上の巨大な草食動物たちです。
もっとも初期の真竜脚類「Bagualia alba」はその代表だったに違いありません。