私たちがまだ知らない未知の姿が宇宙にはある
いつか衝突する連星は、天の川銀河の中にもたくさんあります。
天文学者が見ている星の中には数百万年前にすでに合併した星もあるでしょう。
しかし、ぶつかる前とぶつかった後の、その間に何が起こっているのかはデータがほとんどありません。
今回の発見は非常に稀なものですが、似たような天体はまだまだ宇宙にたくさんあると考えられています。
青い環状星雲は、そうした衝突直後の星がどのように見えるかの一片を示してくれました。
「この成果から、今後似たような天体をさらに特定できるようになるでしょう」、とメッツガー氏は語っています。
「今回観測された青い環状星雲は、私たちが探していたわけではありませんでしたが、本当に興味深いものでした。
宇宙を新しい波長や、新しい方法で見ると、想像もしていなかったものを見つけることがあります」
研究チームの1人、カーネギー天文台のマーク・セイバート氏はそのように発見の重要性を語っています。
青い環状星雲は私たちの文明が始まった頃にぶつかった2つの星の姿だったようです。
なお、星雲が青く見えたのは紫外線撮影の着色に青色が選ばれたというだけで、目には見えないものです。
星の周りに見えた赤い衝撃波も破片の中で水素分子が励起した紫外線を着色したものなので、その点は留意しておきたいですね。