地球にもっとも近いとされる球状星団NGC6397
地球にもっとも近いとされる球状星団NGC6397 / Credit:NASA, ESA, T. Brown, S. Casertano, and J. Anderson (STScI)
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「小さなブラックホールの群れ」があらわれた! 球状星団の中心にあるのは、1つの大きなブラックホールではなかった (2/2)

2021.02.14 Sunday

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光の奥に潜む小さなブラックホールの群れ

球状星団の中心には複数の小さなブラックホールが集中している証拠が見つかった。
球状星団の中心には複数の小さなブラックホールが集中している証拠が見つかった。 / Credit:ESA/Hubble, N. Bartmann

ブラックホールを直接見るということはできません。

そこで今回の研究チームは、団内の星の速度を利用して、星団の総質量と目に見える星の分布やブラックホールの場所を特定しようとしました

理論上は、質量の大きい場所では、星はその周りよりも速く移動すると考えられます。

この結果、星団の中心に見えない余分な質量の証拠が見つかりました。しかし、それは驚いたことに、「点状」ではなく、広い範囲に散らばっていたのです。

その範囲は星団のサイズの数%にも及ぶものでした。

この目に見えない成分は、質量や範囲、場所を考えると、恒星質量ブラックホールの集まりと判断するのが妥当なようです。

つまり、球状星団は1つの中間質量ブラックホールがコアとなって形成されているものではなく、恒星質量ブラックホールの集まりが作り出しているものだったのです。

今回の研究は、その最初の証拠となるものを発見したのです。

これは研究者にとって期待したものとは異なる発見ですが、非常に驚きに満ちた発見であることは確かです。

また今回の発見は、密集したブラックホールの群れが結合すれば、地球にあるレーザー干渉系重力波観測所(LIGO)によって検出できるため、注目を集めています。

球状星団の中心には、ブラックホールの群れが潜んでいるというのは、なんだかゾクゾクする話です。

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