単純なデータが大発見につながった

今回の研究により「中型」肉食恐竜が多くの地域で不在であった原因が解明されました。
大型の肉食哺乳類の子どもも、中型に相当する時期がありますが、成長が早く2~3数年で大人になります。
一方で、数十メートルに達する大型の肉食恐竜の子どもの場合、成長にかなりの時間を要し、中型種の限界である、体重1000キロを脱するには10年近くを要します。
これらの結果は、大型の肉食恐竜の若者たちが、本来の中型肉食種の位置を独占するのに十分な数が存在していたことを示唆します。
他の地域から侵入した中型種が生き残るためには、大型種の大人から逃げると同時に、彼らの若者とも獲物を巡る生存競争をしなければなりません。
しかも競争相手となる大型種の若者たちは日々成長し、ある時点を過ぎると侵入してきた中型種にとって致命的な捕食者に変貌します。
このような環境で中型の肉食種が生き延びるのはほぼ不可能といえます。
今回の研究でも、数少ない中型の肉食種が確認された地域では、大型肉食種がいないか、影響力が薄い地域に限られていたことも示されています。

しかし、肉食恐竜の体重分布といった基本的な情報分析が、大きな発見につながったのは驚きと言うべきです。
恐竜たちの生態には、まだまだ私たちが気付いていない面白い性質が潜んでいるのかもしれませんね。
誤字です。
>これらの見解は、大型の肉食恐竜が反映している地域では、
繁栄
それなら小型の肉食種が大型の肉食種の子供に駆逐されずに生存できた理由も説明が欲しいところ。
例えば
・中型種の体重の上限である体重1000kgは下限である100kgの10倍もあるため、100kgから1000kgまで成長するのに10年近くを要するのに対して、大型肉食恐竜の赤ちゃんと、小型種の限界である体重100kgの差はそこまで大きくはないので、小型種の限界である体重100kgを脱するまでに要する期間が短く、哺乳類の場合と同様に小型の肉食種とは競合しなかった。
とか
・大型肉食恐竜の多くが、多くの鳥類と同様に子育てをする性質があったので、その幼体が小型並みの体重しかない期間は、親が与える大型の獲物を食べていたため、小型肉食恐竜とは競合しなかった。
等々、“可能性だけ”なら色々と考えられると思います。