分裂が盛んなメデューサ型は未知のタンパク質を分泌している
研究チームが、マウスから取り出した虫体を観察していると、あるとき、盛んに出芽・分裂しているものと、出芽がみられない増殖度の遅いものがあることに気付きました。
そして増殖度が高いものを「メデューサ型」、低いものを「ワサビ型」と命名します。
次に研究チームは、これら2タイプでは何がどう違うかを顕微鏡レベルで調べることにしました。
結果、メデューサ型はワサビ型に比べて動きが活発で、とく発達した液胞を持っていることがわかりました。
さらに最新の機器で働いている遺伝子を比較した結果、メデューサ型ではタンパク質分解酵素、がん関連遺伝子の働きが大きく上昇していました。
特に発現量がワサビ型の200倍を超える遺伝子には、細胞外基質分解酵素(組織の侵入に使う)、神経伝達物質であるアセチルコリンの分解酵素、そして芽殖孤虫にのみ発見されている機能不明なタンパク質群が発見されました。
これら未知のタンパク質は構造的に、細胞外に出て働く分泌性タンパク質とよく似ており宿主免疫系に影響を与えると考えられます。