天文学者がこれまで見たことがないと語る電子の雲「踊る幽霊」
天文学者がこれまで見たことがないと語る電子の雲「踊る幽霊」 / Credit: Jayanne English/EMU/Dark Energy Survey
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ナゾの天体「踊る幽霊」の正体に天文学者が困惑する (2/2)

2021.08.15 Sunday

前ページ2人の踊る幽霊

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奇妙なジェットの流れ

研究者たちの考える2つの銀河が踊る幽霊を形成する電子の流れ
研究者たちの考える2つの銀河が踊る幽霊を形成する電子の流れ / Credit: Jayanne English and Ray Norris using data from EMU and the Dark Energy Survey

この図は研究者たちが考える、2つの銀河が踊る幽霊を形成する電子の流れです。

1の矢印は銀河1(図のGalaxy1)から流れ出る電子の雲の流れで、2の矢印が銀河2(図のGalaxy2)から吹き出す電子の雲の流れです。

しかし、研究者たちは2つの銀河間を流れる風が、なぜこのように複雑に絡んだ状態になるのか、まだ説明できません

そして、特に研究者を悩ませるのが、図で3と記された矢印の流れです。

なんだか、なんの脈絡もない位置から電子の雲が筋のようになって流れています。

このフィラメントを作る理由が、研究者たちにはさっぱりわからないといいます。

またASKAPはこれまで製造された中でも、もっとも感度の高い電波望遠鏡の1つであり、これまで当たり前に観測されていた場所からも新しい天体を発見しています。

ほぼ100万光年の直径を持つ奇妙な電波の輪。研究者はこれをORCと呼んでいる。
ほぼ100万光年の直径を持つ奇妙な電波の輪。研究者はこれをORCと呼んでいる。 / Credit: Jayanne English from data from EMU and the Dark Energy Survey

こちらも青く電波のが映っていますが、直径は100万光年近くあるといいます。

これはASKAPでなければ捉えられない非常にかすかな電波の光です。

この電波放射は、遠方の銀河を取り巻くように見えていますが、これが何であるのか研究者たちはまだ突き止められていません

そのため、研究者たちはこれを「Odd Radio Circles:ORC (奇妙な電波の輪)」と呼んでいます。

遠い宇宙を見つめてきた天文学者でも、まだ良くわからない未知の発見は、新しい望遠鏡を使うことで次々と発見されています。

下のページリンクは、今回紹介したEMUプロジェクトのサーベイ(掃天観測)データにつながっています。

EMU 940 MHz Pilot Survey

これは非常に広い夜空を映しているため、どんどん拡大していくと、天文学者も見落としている何かが映っているかもしれません。

研究者がそんな風に語るほど、まだまだ宇宙には謎が多いようです。

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