異常もなく、順調に成長中
本種は「キスイガメ(学名:Malaclemys terrapin)」というヌマガメ科に属し、アメリカに広く分布しています。
双頭ガメの赤ちゃんは、マサチューセッツ州南東部の町バーンズタブルの保護営巣地で孵化しました。
野生生物センターが2週間ほど前から世話をしていますが、Facebookの投稿によると、双頭ガメは「とても警戒心が強く、明るく活発に動き回っている」とのことです。
また「この稀な状態の動物は、必ずしも長く生きられるわけでも、質の高い生活を送れるわけでもありませんが、このオスの兄弟は私たちに楽観的になれる理由を与えてくれました」と続けています。
双頭(bicephaly)という奇形症は、遺伝的あるいは環境的な因子が胚の発育に影響を与えることが原因です。
過去に、バージニア州で捕獲された双頭の毒ヘビ、ミネソタ州で発見された双頭シカの遺骸、北海で捕獲された双頭のネズミイルカなどの例があります。
しかし、どの個体も長くは生きられませんでした。
同センターでは、双頭ガメの体や健康状態を調べるために、CTスキャンを行いました。
その中で、カメには2本の背骨があり、それが尻尾に近い体の下方で合体していることや、3本の足をうまくコントロールして移動していることが分かっています。
孵化してから数日間は、同じ卵黄から栄養を摂っていました。
また、消化管のX線写真で可視化できる白粉の餌を与えることで、それぞれのカメが別の消化管を持っていることも明らかになっています。
片方の消化管の方が少し発達しているようですが、どちらのカメも十分な量を食べて、正常に消化しています。
水中での泳ぎのテストでは、2匹の兄弟が呼吸のために水面への上昇を協調できることが分かりました。体重も順調に増えているようです。
研究員は、次のように述べています。
「2匹の頭の中を覗くことはできませんが、彼らは互いに協力して環境中をナビゲートしているようです。
私たちは、カメがもう少し大きくなったらCTスキャンをして、彼らが共有している内臓や体内の構造についてもっと知りたいと考えています」
なんとか、このまま元気に育ってほしいものですね。