人間での臨床試験も数年後には開始される予定
本研究により、ヒトの神経細胞とブタの脂肪組織からなる「脊髄インプラント」が開発されました。
ゲル化させた組織の微細空間の中でiPS細胞を神経細胞へと再プログラムすることで、複雑な神経回路網を全体に張り巡らせた脊髄インプラントが作成可能になったのです。
また脊髄インプラントには切断された脊椎の再接続を促す効果があり、損傷直後に使用した場合は100%、損傷から時間が経過した後でも80%の確率でマウスの歩行能力を回復させることができました。
同様の仕組みが人体でも機能する場合、脊髄インプラントで手足に不自由をかかえる多くの人々を救うことができます。
人体で行う場合には、患者本人の体から採取された細胞と脂肪組織を材料にすることで、拒否反応を起こさない脊髄インプラントを作成できます。
研究者たちは今後数年以内にヒトでの臨床試験を行うことを計画中、とのこと。
もしかしたら10年後には、脊椎損傷は治せる時代になっているかもしれません。