睡眠の断片化を薬で治療することに成功
「覚醒信号の早漏」を治す手段はあるのか?
研究者たちは解決法を探るべく、脳細胞(オレキシンニューロン)の過敏化がどのようなメカニズムで起きているかを調べました。
結果、過敏化の本質が、カリウムイオンチャンネルと呼ばれるタンパク質の減少であることが判明します。
このタンパク質は脳細胞の「OFF」時の電位を維持する働きがありますが、老マウスの脳内ではこのタンパク質が減少しており、常に限りなくONに近い状態(過敏状態)にありました。
そこで研究者たちは、カリウムイオンチャンネルを刺激する「フルピルチン」を老マウスに投与しました。
すると予想通り、老マウスの脳細胞の過敏化が解消され、老マウスは睡眠途中に目覚めることはなくなりました。
この結果は、睡眠の断片化が「体力がなくなる」といった肉体的な原因ではなく、脳細胞の電気的性質の変化に起因することを示します。