主観と客観の乖離は精神的な歪みが原因
なぜ極度の債務者は自らの自制心を高いと判断しているのか?
研究者たちは、歪んだ認識の裏には、自制心を適用する範囲や方法を誤認していたり、自分と他人との比較に異常な偏りがあるなど、精神的な歪みが発生している可能性があると述べています。
つまり、極度の債務者の自制心に対する過剰な自信は、単に「いいかげん」「だらしない」「かんがえなし」といった単純なものではなく、根の深い心の問題である可能性があるのです。
ただ現在のところ、自制心に対する自己評価の不正確さが、いつどのようにして発生するか、生まれつきのものなのか経験によるものなのかは不明とのこと。
研究者たちは、極度の債務者たちにはカウンセリングなど、自制心にかんする心理ケアを行っていく必要があると結論しています。
また今回の研究では、極端な債務者たちに対する自己報告型の心理テストが、信頼できない場合があることが示されました。
「借金地獄に陥っているならば既に自分の自制心の弱さに気付いているハズ」と考えてしまいがちですが、結果は全く異なっていました。
研究者たちは今後、極端な状態にある人々に対しては既存のものに加えて追加の調査を行う必要があると述べています。
もし今現在、多くの借金を抱えているにもかかわらず、自分の自制心に疑問を感じていないのならば、注意したほうがいいでしょう。