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【ナゾロジー×産総研 未解明のナゾに挑む研究者たち】見えない火山内部を推理!まるで探偵「火山研究」

2024.10.02 Wednesday

日本には111個もの活火山があり、これは世界にある活火山の7 %を占めています。

そのため日本に住んでいれば、誰もが頭に思い浮かぶ身近な火山があるはずです。

そんな近くの火山について、「活火山と聞いたことあるけど、あれっていつか噴火するの?」と不安に思ったことがあるでしょう。

台風は危険が迫れば気象衛星の画像から目で確認できますし、地震は予測が難しいもののその原理はプレートの歪みにあることを私たちは知っています。

しかし、火山がどうやって生まれ、どういうタイミングでいつ噴火するのか?活火山と死火山は何が違うのか?こうした疑問についてはあまり良く知らないという人がほとんどではないでしょうか?

実際火山は非常に研究が難しい存在です。

人間の人生というスケールではまったく推し量れないほど非常に長い活動周期。見ることのできない深い地下に潜むマグマの状態。

それを歴史の史料や、火山から吹き出た降下堆積物をヒントに推理していかなければならないのです。

日本には警戒しなければならない活火山がいくつもありますが、火山学者たちはわずかな降灰からどうやって火山の状態を理解しているのでしょうか?

富士山のような巨大な火山がもし噴火した場合、人々の生活にはどのような影響が予想されるのでしょうか?

今回はそんな身近だけれどよく考えると知らないことだらけの火山について、産業技術総合研究所の地質調査総合センター 活断層・火山研究部門副研究部門長 石塚 吉浩さんにお話を伺いました。

この記事は、「産総研マガジン」でも同時公開されています。産総研マガジンの記事はコチラ!

どういうきっかけで火山学者になるの?

――まず私たちからすると火山学ってかなり特殊な分野で、高校生くらいまでの間に触れる機会ってほとんど無いと思うんですね。

なので火山学者ってどういう人がなるんだろうっていう疑問があるんですが、石塚さんが火山学者になろうと思ったきっかけって何だったのでしょう?

石塚: 大学では地質学を専攻していました。4年生に進学する時に、火山をやっている研究室に進みました。

火山の研究に進んだきっかけは2つあって、1つは単純に山が好きだったからです。

もう1つは、当時、雲仙普賢岳が噴火していた時に、大学の先生が現場に行かれていて最新の情報を講義で話してくれたんです。その話しが非常に興味深くて、この先生がいたというのが火山の研究室に進んだ理由ですね。

―― 先生の存在が大きかったんですね。

石塚:先生の存在は、いろんなところで皆さんそうだと思いますが、大きいと思います。

学生っていうのはまっさらですから、面白い講義をされるとか、学生と深く付き合ってくれる先生と出会うことで、染まっていく部分があると思います。

―― 学生時代にフィールドワークに行かれたことはありますか?

石塚: 4年生から卒業研究を始めて、私は北海道の利尻山をフィールドに選んで、ずっとフィールドワークをやっていました。

―― 火山のフィールドワークでは、登山のテクニックが必要だと思うのですが、石塚さんはもともと登山がお好きだったということで、そこまで苦労はなかったんでしょうか。

石塚:私の場合は、学部の若い頃に、山スキー部の団体に入っていまして、真面目な授業にはあまり出ずに、ずっと山を登っていました。

学生としてはあまりよくなかったかもしれませんが、登山の技術は身につきましたね。

――他の火山研究者の方もそういう方が多いですか?

石塚:相対的にみれば、火山研究者には山系団体出身者が多いですね。

しかし昔は公務員試験を受けて入省し、先輩から実地で訓練を受けるルートもありました。

最近はそうした徹底した訓練はなくなり、研究者個人の技術に合わせて適切なフィールドを選ぶようになっています。

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