貧困層の学生は食べ物やお金を扱った数学問題の得点が低い
分析の結果、所得の違いが、特定の題材の問題の正解率に大きな影響を与えると分かりました。
最も所得が低い層の子供たちは、最も所得が高い層の子供たちに比べて、お金、食べ物、社会的関係の題材で、正解率が下がりました。
なんと、その題材が扱われているというだけで、4年生で18%、8年生で16%も成績が下がったのです。
そして成績の差が最も顕著に表れたのは食べ物に関する問題であり、低所得者層の子供たちの得点は22%も低くなりました。
「カエルが5匹いて……」という問題を「ドーナツが5個あって……」という問題に変更するだけで、一部の子供たちの得点が22%も下がるというのだから驚きです。
ちなみに最も影響が少なかったのは社会的関係の題材でしたが、それでも12%の違いが生じました。
では、どうしてこのような違いが生じたのでしょうか。
今回の研究は統計調査に留まるため、実際の因果関係についてはまだ明確ではありませんが、研究チームは、以下のような原因を推測しています。
1つは、低所得層の子供では、お金や食べ物を題材にした実世界の経験が、他の子と比べて不足しており、日常生活での経験が豊富な学生との間で問題の理解力に対して差が生まれやすいということ。
もう1つは、これらの題材が自身の貧困を想起させるため、心理的負担が増大しそれが成績に悪影響を及ぼしているというものです。
これは「社会的関係」の題材でも同様かもしれません。
研究チームによると、「低所得者層の子供は、基本的なニーズを満たすために他人の顔色をうかがう場面が多い」とのこと。
そのため低所得者層の子供たちは、自分の好みよりも周囲の希望に合わせる傾向があり、こうした背景が、何らかの影響を与えている可能性も考えられるという。
いずれにせよ、算数の問題文とは子供たちが問題の意味を理解し、解決への道筋をイメージしやすくするために作られているものです。
その題材が、特定の子供たちにとって問題解決へのイメージを妨げる原因になっているとしたら大きな問題です。
今回の研究結果を考えると、「算数のテストから、食べ物やお金に関する問題は無くしたほうが良い」と感じるかもしれません。
しかし研究チームは、そうすることは「望ましいことではなく、現実的でもない」と述べています。
だからこそ彼らは、低所得者層の子供たちが抱く「お金」や「食べ物」に対する偏見を軽減するような「何らかの介入」が必要だと主張しています。
もちろん、今回の研究には、両親の教育に関するデータなどが含まれていないため、いくから限界があります。
それでも、私たちが考えている以上に、義務教育の段階においても経済的な格差は大きいのかもしれません。
「欠乏」が人の処理能力に負荷をかけるというやつなのでは?
何のために算数を学ぶのかを考えると、将来必要になるからで、
それを「成績が下がるから」と食べ物やお金を避けてしまっては、丸っきり本末転倒では。
むしろもっとソレに触れる機会を増やして慣れさせるのが「学習」の本来の在り方ではないのか。
「成績が下がるから」と避けるのなら、そもそも学校など無くしてしまえば良い。
そうすれば「成績」が下がることはないぞ。
そうかだから俺は数学ができないのか!
研究チームが算数のテストから食べ物やお金に関する問題をなくすことが現実的ではなく望ましくないとした理由がわかりませんね。
低所得者層がお金などへの偏見をなくすことが理想的かつ根本的な解決である事はわかりますが、そちらの方がはるかに現実的でないのでは。
それはそれで社会が解決すべき問題として長期的に行いつつ、とりあえず当面の学力の低下を低減するためにも問題内容の変更は同時に行えばいい気がしますが。
例題に食べ物使った問題で成績が下がったら貧困という命題に疑問を感じたら富裕層ってことですね(貧困者の気持ちがわからないから)。日本に生まれて恵まれてると教育を受けた世代には分からない話ですねー。
全ての子供にコンプレックスを解消するような介入をするほうが、よほど現実味なさそう。自身で稼げないから解決もできないし。貧困は子供たちのせいじゃないので、『お前のトラウマとか知らないし嫌でも叩き込むからな』は余りに無知で残酷だし怠慢に聞こえる。お金の計算が必要な頃にはこの欠落によるコンプレックスをある程度は自身で解決できるだろうし、物心着く前においては無駄なノイズで負荷をかける意義は感じない。
貧困世帯であっても子供に人並みの教育を受けさせたいという親の願望を利用したある種のステマではないかと疑われる研究成果です。だから貧困は撲滅しなければならないという結論に導きたいだけでしょう?
算数だけでなく国語や理科でも対照実験してみないと信頼できる結果とは言えないので、そもそもこの研究成果を元にして議論する価値などなく、単にメディア受けする「ネタ」であると見るのが妥当です。
先生も大変だな