適切な自己主張を始めるためのポイント
ニューヨークに住む精神科医マーリン・ウェイ氏は、研究チームの一員ではないものの、今回の研究結果を受けて、適切な自己主張を行っていくためのポイントを説明しています。
特に、これまで自己主張が苦手だった人は、以下の点を意識してみると良いでしょう。
ウェイ氏によると、適切な自己主張を行うための最初のポイントは、「No」と言って、境界線を引くことです。
「できません」「お断りします」と言うことは、意地悪でも失礼な態度を取っていることでもないと理解する必要があります。
そして、どのようにNoと言って境界線を引くかを学ぶことは、ストレスや不安を軽減するために重要であり、自分に長期的なメリットをもたらします。
では、どのように境界線を引くと良いでしょうか。
まずこの問題を考えるうえで重要なのは、気に留めるべき境界には種類があるということを認識しておくことです。
感情、精神、物理、時間、エネルギーなど、私たちは様々なパラメータに対して、それぞれラインを設定しておくことが重要です。
例えば、誰かが自分の感情的なニーズを軽視したり、批判したりしていないか注意し、それに対してどこまでなら許せるのか、自分なりのラインを意識しておくことが大切です。
また、時間とエネルギーの境界線をしっかりと設けることは、慢性的なストレスや疲労を抱えたり、燃え尽き症候群になったりすることから自分を守るのに役立ちます。
事前に境界線を決めておき、そこを越えるような提案や要求がなされたなら、はっきりと断るべきなのです。
ここを曖昧にしていると、どんどん自分の中に「無理」が溜まっていってしまいます。
さらに、「境界線を越えられた」という身体と心のサインを認識することも大切です。
忙しい社会で生活していると、気づかないうちに境界線を侵されることがあるものです。
そしてそのことに気づくのは、頭よりも身体や心が先かもしれません。
もし、他者の対応に対して、頭痛や吐き気、憂鬱、イライラなどといった反応が過剰に起きていた場合、それは「自分にとっての我慢の境界を越えられたサイン」だと考えるべきです。
こうした問題が起きたときは、すぐに自分の意見を伝えて状況を調整すべきでしょう。
加えて、私たちがこれまでよりも積極的に自分の意見を伝えようとした時に、誰がそれに反対したのかも覚えておくとよいでしょう。
これまで私たちを「融通の利く人」として利用してきた人は、私たちがはっきりと境界線を引くことに対して、がっかりしたり腹を立てたりするものです。
一方、本当の友や家族は、私たちが適切な自己主張を行おうとしていることを喜んでくれるはずです。
それによって、自分にとって大切にするべき人が誰なのか、見えてくるはずです。
では、これらを意識すると、すぐに自己主張が容易になるのでしょうか。
そうではありません。
私たちが適切な自己主張を行えるようになるには、いくらか時間がかかるものです。
場合によっては、専門家の助けが必要かもしれません。
それでも自分が変化するための努力は、私たち自身への投資であり、今後の生活でストレスや不安を抱えすぎないためにも大切です。
もし今、自己主張できなくて辛いと感じているなら、まずは「自分の境界線」を知ることから始めてみるのはいかがでしょうか。
これは良い示唆ですね。
フリーライダーたちを排除するための手法を学ばねばなりません。