奇妙な化石が語る“パナルトプロダ”の正体:クマムシとオンシフォラの起源
クマムシ(緩歩動物)とオンシフォラ(有爪動物)、そして節足動物をまとめて含むグループが「パナルトプロダ(Panarthropoda)」です。
これはカンブリア爆発期(およそ5億数千万年前)に多様化したエクディソゾアの中でも、体節や脚の形成など、より複雑な構造を獲得した一群と考えられています。
化石記録によれば、「ロボポディアン(Lobopodian)」と呼ばれる柔軟な体と複数の短い脚を持つ生物が、パナルトプロダの初期段階を映し出している可能性が高いとされ、Hallucigenia(ハルキゲニア)やAysheaia(アイシア)などはその代表例です。
これら初期のパナルトプロダは、硬い外骨格や関節足を獲得する以前の姿で、柔らかい体と短い脚が特徴的でした。クマムシは極端な小型化とシンプル化を経た結果、原始的かつ柔軟な構造をさらに突き詰め、極限環境へ適応する独自の進化路線を進んだとみられています。
一方、オンシフォラは森林や落葉層で“スライムガン”とも呼ばれる粘着液を使った捕食行動に特化し、節足動物は頑丈な外骨格と多数の関節による高い運動性能を武器に海・陸あらゆる場所へ爆発的に多様化しました。
このように、カンブリア期の爆発的な進化の中でパナルトプロダという枠組みが生まれ、それぞれが大きく分かれていったわけですが、クマムシの驚異的な耐久力も、こうした古代から続く遺伝的基盤があってこそ磨き上げられたと考えられます。
極小ながら驚くべき生命力を持つクマムシが、実は古代の化石生物と繋がるルーツを持っていると知ると、進化の不思議さとロマンを改めて感じずにはいられません。