子犬を新しく迎えるデメリットとは?「子供の怪我リスク」が高まり、「母親の負担」が増える
子犬を迎えることにはたくさんのメリットがある一方、この研究は、犬を迎えることによる課題や見落とされがちなデメリットも具体的に示しました。
調査では約37%が「思ったより大変だった」と答え、特に初めて犬を飼う家庭で困難が強く報告されました。
困難の内容には、子犬期の噛み付きやジャンプへの対応、散歩時の強い引っ張り、他犬や人への過度な反応、分離不安にまつわる行動などが含まれていました。
理想と現実のギャップに直面し、「譲渡を考えた」という声もあり、その多くが初めての飼い主でした。
また、子犬の世話を担当したのは95%が母親だということも分かりました。
継続的なケアや突発的な対応、しつけの計画などの負担が女性に集中しやすい傾向が明らかになったのです。
子供や父親が一部の作業を手伝うことはあっても、日常的な世話は母親が担うことが多く、子犬の世話は「家庭内の見えにくい負担」として捉える必要があるでしょう。
まだ子供が幼くたくさんのお世話が必要な場合、その時期に子犬を迎えることは、「母親にいっそう大きな負担を与える」という事実を知っておかねばなりません。
さらに、子供と犬の関わり方にも注意点があります。
多くの家庭でハグやキス、同じベッドで寝るといった密着した触れ合いが許可されていましたが、これらは犬にとってストレスとなりうる行動です。
子供は落ち込んだ時や退屈な時、寂しい時ほど犬に強く近づく傾向があり、犬が「もうやめてほしい」と示すサインを見落とすことがあると分かりました。
その結果、犬が防衛的に噛んだりして状況から逃れようとする危険が高まります。
研究チームは、保護者が安全な接し方を学び、ルールを設定して、子供と犬のやり取りを近くで見守ることの重要性を強調しています。
具体的には、犬が休んでいる時や食事をしている時に近づかない、無理に抱きしめない、逃げ道をふさがないといった基本を徹底することが推奨されます。
加えて、犬を迎える前には、誰がどの作業をどの頻度で担うのかを話し合い、うまくいかない時の代替案や支援先も含めて準備しておくことが望まれます。
この研究は、子供と犬が一緒に育つ生活は数多くの喜びと心の支えをもたらす一方で、思った以上の手間や事故リスク、そして家庭内の負担の偏りといった現実が伴うことを示しています。
メリットとデメリットの両方を理解して備えることで、子供と犬の双方にとって安心で幸せな暮らしを実現できるでしょう。