「カフェイン=集中力アップ」だけじゃない?意外な「粘り強さ」効果

カフェインと聞くと、多くの人は「眠気覚まし」や「頭をスッキリさせる成分」といったイメージを持つでしょう。
確かに、カフェインは脳を興奮させて注意力や覚醒度を高める効果が知られています。
でも、カフェインの力はそれだけにとどまりません。
研究チームは今回、「困難な課題に挑むとき、カフェイン摂取が行動や気持ちにどんな影響を与えるのか?」を明らかにしようと考えました。
実験は大学生329人を対象に行われ、被験者は3つのグループに分けられました。
1つ目は「ガムなし」、2つ目は「カフェインなしのガム(偽薬)」、3つ目は「カフェイン入りガム」を噛んでもらうというものです。
カフェインの量は最初40mg(コーヒー半杯ほど)、2回目は100mg(コーヒー1杯分ほど)と変化をつけて検証されました。
被験者たちは「隠し絵タスク(複雑なイラストの中から物を探す)」や「アナグラム(並べ替え文字問題)」などに挑戦しました。
ただし、一部の課題には「絶対に見つからない物」や「絶対に解けない単語」が含まれており、途中で“行き止まり”にぶつかるよう工夫されていました。
ここで研究者が注目したのは「参加者が見つけられないものをどれだけ粘って探し続けるか?」という“粘り強さ”です。
要するに「もう無理!」と思って諦めるまでの時間や、諦めずに頑張る姿勢がカフェインでどう変わるのかを調べたのです。
結果、カフェイン40mg程度では明確な効果は見られませんでしたが、100mg(コーヒー1杯分相当)のカフェインを摂取したグループでは、難しい課題でも粘り強く探し続ける傾向が強まることが分かりました。
特に「答えが見つからないアイテム」に取り組む時間が、平均38%から52%にまでアップしていたのです。
しかも、この効果はタスクの種類によって差が出ることも確認されました。
つまり、すべての作業で「カフェイン=粘り強さアップ」とは限らないものの、少なくとも「難題に挑戦する時の持続力」を高める力があるのは確かなようです。