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Credit: canva
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ミツバチは女王に「クーデター」を起こし、政権交代を繰り返していた (2/2)

2025.10.28 12:00:00 Tuesday

前ページ女王蜂の「失脚劇」はなぜ起きる?

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「フェロモン操作」でクーデターを防げる?

では、養蜂家にとってこの“女王失脚劇”は良いことなのでしょうか?

実はそうとも言えません。

野生のコロニーなら新陳代謝が有利にはたらくこともありますが、養蜂現場では女王交代のタイミングがズレたり、産卵が途切れたりすると、群れが弱体化し、受粉やハチミツ生産量がガクンと落ち込んでしまいます。

この課題に対してUBCの研究チームは、驚きの「解決策」も提案しました。

それは合成フェロモン(メチルオレイン酸を含む)を巣に追加する方法です。

実験では、メチルオレイン酸入りのフェロモンを与えた群れは、新たな女王を育てる割合が明らかに低くなりました。

つまり、女王蜂が弱っても「私は健在!」という信号を補ってやれば、クーデターのリスクを下げ、巣の安定が保てるというのです。

この発見は、近年「女王蜂の失敗」や「早すぎる交代」で悩んできた世界中の養蜂家にとって朗報となりそうです。

実際、調査によると「質の悪い女王」が冬越しできない主因になっているケースも多いとのこと。

女王蜂のウイルス感染が、これまで思っていた以上に巣の安定や生産性に深刻な影響を与えていた事実が明らかになりました。

加えて、ダニなどの寄生虫がウイルスを媒介する点も再確認され、「女王蜂と巣全体を健康に保つことが、今後ますます重要になる」と研究チームは強調しています。

現時点でミツバチのウイルス感染症に有効な治療法はありませんが、ダニ対策などの管理手法を見直すことで、女王蜂の健康維持や巣の安定につなげる道が開けるといいます。

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ミツバチは女王に「クーデター」を起こし、政権交代を繰り返していた (2/2)のコメント

ゲスト

女王の弱体化を隠し切れなくなると巣が丸ごと壊滅しそう
生産量ガタ落ちして次の女王も育ってない
そんな状態で弱ってる女王が死んだら空白期間どうするの

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