塩水でほどけ、元の分子に戻る
この新素材の最大の特徴は、塩水中では架橋がほどけ、分子レベルまで解離する点にあります。
つまり、プラスチックが細かく砕けて残るのではなく、自然界で代謝可能な元の分子へと戻るため、マイクロプラスチックを一切生じません。
実際映像がこちら。
一方で、強度と使いやすさの両立も課題でした。
初期の素材は無色透明で非常に硬いものの、ガラスのようにもろい性質を示していました。
そこでチームは、FDAに承認された安全な食品添加物である塩化コリンを可塑剤として使用することを発見します。
この添加量を調整することで、硬いガラス状から、しなやかで堅牢なプラスチック、さらには元の長さの130%まで伸びる弾性体まで、性質を自在に制御できるようになりました。
さらに重要なのは、分解後の分子を回収し、品質を劣化させることなく再び同じプラスチックへ戻せる水平リサイクルが可能な点です。
従来の石油由来プラスチックのように、大きなエネルギーをかけて分解・再生する必要はありません。
自然界では、毎年およそ1兆トンものセルロースが生み出されています。
チームは、この豊富な天然資源から、使うときは丈夫で、不要になれば自然に還るプラスチックを実現しました。
研究者は「この技術は地球をプラスチック汚染から守る」と語っています。
プラスチックを単に減らすのではなく、環境と共存できる形へ進化させる。
その一つの明確な道筋を示した研究と言えるでしょう。




























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化学ってすごい!!
活用されて海岸の漂着ゴミが減ると良いですね♪