
「ADHD(=注意欠陥・多動性障害)」とは、衝動的な振る舞いを抑えられず、注意力が散漫になってしまう障害です。
近年ADHDの診断率は増加傾向にあり、2018年の最新調査では、小児ADHD率が過去20年間で10%以上も上昇していました。またADHDは大人になっても発症するもので、学校や職場におけるミス多発の原因ともなっています。
しかし、ADHD症状とうまく付き合い、対処できれば、注意散漫を最小限に抑えこみ、日々の「生産性」を高めることも十分可能です。
今回はADHDだけでなく、集中力が散漫になりがちな人にも効果的な6つの方法をご紹介していきます。
1. ADHD症状には「個人差」がある
最初に取り組むべきは、具体的な対処法ではなく、自分自身を観察することです。ADHD症状には必ず個人差があるので、すべての患者さんに効果的な唯一の方法はありません。
ですから、他の人に効いた方法が自分に効かないからといって焦る必要はないのです。しかも、「焦り」は集中力を削ぐ原因にもなるので避けたいところ。
そこで重視する点は、ADHD症状において、「自分の気を逸らす原因は何か」とか「衝動的に行動しようとする理由は何か」を自答してみることです。「落ち着き」と「自己観察」は、症状を最小化するための出発点となります。