
- ヘビに伝染し、身体をミイラ化させる感染菌が米・カリフォルニアで初めて確認される
- 感染したヘビは開けた場所に出たがるので捕食者に襲われやすくなる
肌が乾いて顔は腫れ上がり、目も白くなったヘビの写真。実はこのヘビ、まだ生きています。
このヘビは今年5月末、アメリカ・カリフォルニア州にて、菌に感染し、ミイラのような姿で発見されました。
感染菌は2008年にアメリカおよびカナダで初めて確認されましたが、同州で見つかったのは今回が初めて。
カリフォルニア州魚類野生生物局(CDFW)によると、今週にも同州で感染したヘビが見つかっており、国内での菌蔓延が懸念されています。
幸いこの菌は人に感染する危険性はなく、ヘビから人へ感染する恐れもありません。
10年前の類似例より危険度が増している
同州アマドール郡・シエラネバダで発見されたこのヘビは、地元でも有名な「カリフォルニア・キングスネーク」という種類に属します。ミイラのように異常にやせ衰えていたものの、かろうじて生きていたので、すぐに動物病院に保護されました。
CDFWによると、ヘビに対する菌感染病が初めて知られたのは2008年のことです。アメリカの23州とカナダの1州にて、およそ30種類のヘビに確認されています。

感染菌は「Ophidiomyces ophiodiicola(英Wiki)」と特定されており、皮膚にできた擦過傷や感染したヘビとの接触により伝染します。多くの場合、軽度の症状を引き起こすだけで、死に至らしめることはありません。
ところが、今回発見された症状はそれよりも酷く、深刻化すると、食事ができないほど顔が腫れ上がり、歪んでしまいます。さらに、弱ったヘビは、なぜか開けた場所に出たがるため、捕食者に狙われやすくなるのです。
CDFWの報告では、感染菌が州内にどれほど蔓延しているかはまだ把握されていません。
年々深刻化しているミイラ化現象。「ミイラ・パニック」になることは避けなければなりません。