紫外線を供給することで永遠に光り続ける蛍光物質になる
今回の研究成果は単に年間のサイリウム代が浮くだけではありません。
シアノスターの持つ可能性は極めて大きく、太陽光発電の効率をも改善する可能性があります。
さらに、固体状態で強烈に輝く特性は、芸術家にとっては次世代の絵の具となり、それまで表現不可能であった立体的な光る構造物をつくれるかもしれません。
また光源に紫外線を使うことにより、蛍光染料を光り続ける固有光源として使用することができるようになります(紫外線はヒトの目に見えないから)。
これまで光は電球やLEDが主に発していましたが、紫外線供給源との組み合わせで壁に描いた四角形や円形の模様を光源にすることができるようになるのです。
これは見た目には塗られたペンキが、極薄の電灯のように振る舞いはじめることを意味します。
電灯やネオンは都市の風景を一変させましたが、もしかしたらシアノスターを組み込んだ蛍光塗料も、私たちの町の夜景を大きく変えてしまうかもしれません。
研究内容はアメリカ、インディアナ大学のクリストファー・R・ベンソン氏らによってまとめられ、8月6日に学術雑誌「Cell Press」に掲載されました。
https://www.cell.com/chem/fulltext/S2451-9294(20)30310-7
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