animals plants

超強力「シャコパンチ」は、拳にナノ粒子をまとって”衝撃を吸収する”と判明 (2/2)

2020.08.20 Thursday

前ページシャコの拳は「ナノ粒子」でコーティングされていた⁈

<

1

2

>

シャコのナノ粒子はあらゆる人工材料を凌ぐ「天然サポーター」!

さらに、この無機物と有機物の組み合わせが、拳の弾性や剛性を高める鍵となっていました。

実験で、低エネルギーのインパクトを与えてみると、コーティングの結晶構造は、ほとんどマシュマロのように変形し、外力がなくなると元に戻り始めています。

一方で、高エネルギーのインパクトを与えてみると、ナノ粒子の結合が壊れて、結晶構造を失くしてしまいます。ところが、硬い結晶構造を一時的に失くすことで(アモルファス化)、クッションのようになり、エネルギーを分散させていました。

画像
Credit: 磁性・スピントロニクス材料研究拠点
画像
Credit: Kisailus lab / UCI

この特殊な構造は、柔らかい有機物と硬い無機物の組み合わせによって生まれ、剛性を失うことなく、エネルギーの吸収・分散特性を獲得していたのです。

キサイラス教授は、これについて「金属やセラミックといった大半の人工材料をはるかに凌ぐ構造」と指摘します。

つまり、シャコは最強のパンチ力だけでなく、高性能の自家製サポーターまで備えていたということでしょう。

シャコパンチのコーティング構造は、自動車や航空機、スポーツ産業における新素材の開発に応用できるとのことです。

研究の詳細は、8月17日付けで「Nature Materials」に掲載されました。

A natural impact-resistant bicontinuous composite nanoparticle coating
https://www.nature.com/articles/s41563-020-0768-7

「最強」シャコパンチ、なぜか抵抗の低い空気中のほうが弱くなると判明

世界初、これまで未発見だった「巨大マンボウの稚魚」がついに見つかる! 金平糖みたいでかわいい

reference: phys / written by くらのすけ

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

動物のニュースanimals plants news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!