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Credit:depositphotos,ナゾロジー編集部
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ハエを叩くのはなぜこんなに難しいの?世界を捉える速度「フリッカー融合頻度」がヒトと違っていた

2020.09.11 Friday

素早く動き回り、不快な羽音を撒き散らす不衛生なイメージがある昆虫「ハエ」。

誰しもハエを丸めた雑誌片手に追い回した経験があることでしょう。

そんなとき疑問に思うのが、恐ろしい回避率を誇るハエの俊敏性です。

「なぜ、こんな小さな生物に攻撃が当たらないんだ……」そんな苛立ちを覚えたことも、一度や二度では済まないでしょう。

しかし、それは仕方のないことかもしれません。

なぜなら、人間とハエでは見えている世界の速度が違っていたのです。

 

bbc https://www.bbc.com/news/science-environment-41284065

ハエは世界をスローで捉えている

ハエが世界をスローで捉えるとはどういうことでしょうか?

これは彼らの特殊な目の構造にあります。

ディスプレイの表示には、フレームレートというものがあります。これは1秒間に何コマ、画像を表示できるかという能力を示したものです。

このフレームレートは生き物にも存在しています。私たち人間の目は1秒間に60フレームを処理できます。このフレームレートは生き物によって違っていて、例えばカメの目は1秒間に15フレームしか処理できません。

生き物のフレームレートは、目や脳が処理できる時間の分解能を意味しています。フレームレートが下がると、世界の瞬間的な変化が捉えにくくなり、それに対応した行動も取れなくなるのです。

credit: Gfycat

つまり目や脳が処理できるフレームレートが上がると、世界はゆっくり流れて見えます。

カメと人間の例でいうと、カメの目から見る時計の秒針は人間の4倍の速度で動いて見えています。

カメの動きは、私たちからはゆっくり見えますが、カメに言わせれば人間の動きは速すぎる、という感じなのです。

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Credit:MicBergsma,Youtube

ではハエはどうでしょうか? なんとハエのフレームレートは1秒間250フレームを超えています。

これは時計の秒針が、ハエには人間の約4分の1の速度に見えていることを意味します。

ハエからすれば「てめらの動きはスローすぎてあくびが出るぜ」という感じなのでしょう。

次ページ世界を捉える速度「フリッカー融合頻度」

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