発光同調は”社会的なもの”だった
さらに、群れの中から数匹だけ隔離してみると、彼らの発光リズムは同調せず、バラバラでした。ところが面白いことに、隔離したホタルの数を増やすと変化が起きています。
15匹の時点ではまだバラバラでしたが、20匹を超えると、再び発光リズムがシンクロし始めたのです。そのパターンは群れのものと同じでした。
サルファティ氏は「これは発光の同調性が先天的なものではなく、周囲の状況に依存した社会的なものであることを示す」と述べます。
群れの発光が波のように伝播するのもそのためでしょう。
他方で、ホタルが発光リズムを同調する理由は分かっていません。
一説では、発光リズムを合わせることで、無点滅の間にオスの発光に反応したメスのかすかな光を見つけるためと言われます。
例えるなら、ロックバンドがお客さんに呼びかけてそれに応答する「コール・アンド・レスポンス」のようなものでしょう。
サルファティ氏は「発光の仕組みを理解することは、同調の理由だけでなく、種の保護にも役立つ可能性がある」と話しました。