研究から明らかにされた効果的なお茶の飲み方は?
今回の研究では、KCNQ5チェンネルを持つ細胞に直接紅茶を与える際、ミルクを混ぜると効果が阻害されるという結果も確認されました。
これはミルクのタンパク質が、カテキンとKCNQ5の結合を阻害しているためと考えられます。
では、ミルクティーだとお茶の健康作用がなくなるのかと言うと、研究者はその可能性は低いと述べています。
今回は実験で直接ミルクティーを細胞に与えましたが、実際はお茶は胃を経由して体に取り込まれます。
この際、胃の環境がカテキンとミルク中のタンパク質や他の分子を分離させるため、実際ミルクティーにすることでカテキンの有益な効果が妨げられる可能性はないと考えられるのです。
また、研究者は緑茶を35℃に温めた際、KCNQ5の活性化により効果的な作用が現れることを確認したと報告しています。
では、とても熱いお茶や冷たいお茶では効果が低いのかというと、それもないと研究者は語ります。
たとえお茶が冷えていようと、熱い状態だろうと、人間の体温は約37℃付近であるため、お茶は飲まれた後、最終的にこの温度に安定します。
つまりお茶はただ飲むだけで、もっとも降圧特性の高い状態で体に利用されることになるのです。
まさに人間を健康にするために存在するかのようなお茶の作用が、化学的な分析から明らかにされました。
4000年も前から人類に愛飲されていたのも納得というものです。
今回発見されたECG,EGCGという2つのカテキンの血管拡張作用は、将来の降圧薬開発の有力候補になると、研究者は結論を述べています。
歳を取ると高血圧に悩む人も多くなりますが、お茶によって、高血圧が有効に治療される日は近いのかもしれません。