カテキンが血管の細胞をリラックスさせる
研究チームは、お茶の健康作用のもとと考えられているカテキンについて、コンピュータモデリングと突然変異誘発研究を利用して調査を行いました。
するとお茶に含まれるECG(エピカテキンガレート)とEGCG(エピガロカテキンガレート)という2種類のカテキン化合物がに、細胞の興奮を低下させる作用があるということを発見したのです。
細胞膜には、カリウムイオンを選択的に透過させる電位性依存カリウムチャネルというものがあります。
お茶に含まれる2つのカテキンは、このカリウムチャネルの鍵となっているタンパク質KCNQ5の電圧センサーに結合して、イオンチャネルを開いていたのです。
こうして、細胞内にカリウムイオンが取り込まれると、細胞は興奮性を低下させます。
つまり、カテキンは血管の細胞をリラックスさせる合鍵として機能していたのです。
これは非常に簡単なプロセスで血圧を一定量低下できる方法として、非常に興味深い発見です。
このカテキンのはたらきを利用して、新しくKCNQ5をターゲットした血圧改善の治療法を確立できる可能性があります。
また、今回の研究では、このお茶の降圧作用がもっとも有効にはたらく条件についても確認したといいます。
その条件とは、どのようなものなのでしょうか?