細菌の成長スピードを遅らせる
すべての生物には、自らが存在するのに適した温度があります。
人間はテクノロジーで守られているとはいえ、暑すぎる夏や寒すぎる冬には活動を制限されます。
バクテリアなどの微生物も同じです。彼らにも活動や成長を促進する適温があります。
私たちの身の回りにいる一般的な細菌は、37℃の環境を好みます。
このような微生物は、暑すぎず寒すぎずの中間温度(20〜45℃)を好むという意味で、中温性(mesophiles)と呼ばれています。
中温性細菌は食品を腐らせる原因であり、その代表は、アスペルギルス(カビ)、乳酸菌、ロイコノストック、ペディオコッカスなどです。
しかし、冷蔵庫の中の平均温度は4℃に保たれており、細菌が有効に働くには寒すぎます。
私たちは寒い日には、毛布をかぶってコーヒーでも飲みたくなりますが、それと同じように、細菌も生産的な活動をする気力を失うのです。
このように、低温になると細菌の成長速度は著しく低下し、倍増時間(バクテリアの数が2倍になるまでの時間)も大幅に長くなります。
それでも全く成長しないわけではありません。
それは、食品が冷蔵庫の中で永遠に保存できないことからも明らかでしょう。
菌の繁殖は止まっているのではなく、遅くなっているだけなのです。