液滴同士の間でも起きるライデンフロスト効果
研究チームは今回発見された現象の原因は、加熱された金属板表面だけでなく、液体同士の表面でもライデンフロスト効果が起きているためだと説明しています。
今回実験で弾きあった液体は、どれも互いに沸点の温度が大きく異なる液体同士でした。
液体の沸点は、高度によって変わってきますが、実験が行われた研究室では、アセトンの沸点は50℃でホルムアミドの沸点は146℃です。
このように沸点が異る液体の場合、片方の液体にとって、ぶつかる液体の温度はライデンフロスト効果を起こすの十分なほど熱い状態になります。
そのため、金属板の表面だけでなく、液体同士の表面でもライデンフロスト効果が起こります。
これによって、異なる種類の液体は合体することなく、発生した蒸気の膜によって弾かれていたのです。
この反跳現象は、片方の液滴が十分小さくなったところで終了します。
たとえば水とエタノールだと沸点の低いエタノールの方が早く蒸発していきます。(水の沸点は100℃で、エタノールの沸点は70℃)
そしてエタノール液滴が非常に小さくなり、水の吸引に耐えるだけの十分な蒸気を生成できなくなると、液滴間のライデンフロスト効果が維持できなくなり、融合することになるのです。
このため、エチレングリコール(沸点190℃)とクロロホルム(沸点54℃)のように、あまりに沸点が大きく違う液体同士だと、合体してもそのあとすぐ弾けてしまったりします。
研究の理論によれば、この現象が起きるとき金属板と液体それぞれの表面で、同時に3つのライデンフロスト層が存在するため、研究チームはこれを「トリプルライデンフロスト効果(Triple Leidenfrost Effect)」と名付けています。
こうした理由で、同種の液体だと、このトリプルライデンフロスト効果で弾きあう現象は確認されなかったのです。
単純ながら非常に興味深い物理現象です。
これは、水同士でもなりますよね。
高所から水面に水滴を落とすと・・・