世界最凶クラスの毒を持つジョウゴグモ
オーストラリアを原産地とするジョウゴグモ科は、世界で最も危険な毒グモのグループの一つです。
その牙に咬まれると、10分以内に嘔吐や腹痛、発汗、流涎(りゅうぜん=唾液の過剰分泌)などの症状が起こります。
深刻な場合は全身痙攣をきたして、呼吸困難に陥ります。
子供では15~90分以内、大人では30時間以内での死亡例があり、1980年までに少なくとも13名の死者が確認されています。
1981年に解毒剤が開発されて以降は、幸いにもジョウゴグモによる死亡例はありません。
ただオーストラリアでは今でも毎年30〜40人が咬まれているそうです。
(日本国内にジョウゴグモは確認されていません)
これまで、ジョウゴグモの毒の分子的な組成を明らかにすべく数多くの研究がなされてきました。
しかし既存の研究では、クモの行動や物理的な状態、環境要因が毒の成分にどんな影響を与えるかは全く考慮されていません。
そこで研究チームは今回、オーストラリアに生息する4種のジョウゴグモを対象に実験を行いました。