日食の時、トウヒの木はコミュニケーションを取っているかもしれない
実験の結果、生体電気信号を観察したすべての木が、日食が始まる数時間前から電気信号のパターンを変えていると分かりました。
その変化は、日食中に最大になり、終わると元に戻っていきました。
これは、木が「何かが起こる」と感じ取り、体内の活動を調整していた証拠かもしれません。
しかも驚いたことに、古い木のほうが、より早く・はっきりと反応していたのです。
研究チームは、この結果について、「古木が数十年分の環境記憶を保持している証拠」だと主張しています。

さらに興味深いのは、まるで「日食のお知らせ」が広がっていくように、波のように電気信号の変化が、複数の木々に広がっていったということです。
研究チームはこの現象を「シンクロ(同期)」と呼びました。
人間でも、コンサートで拍手が自然に広がっていくことがあります。
木々でも同様のことが生じているのかもしれません。
そして、その変化の起こりは古木たちでした。
つまり、今回の反応は、まるで経験豊かな古木が最初に日食を感じ取り、そのことを若木たちに伝えていったかのようだったのです。
もちろんこの研究だけでは、植物たちの中で生じていることを正しく判断することはできません。
それでも日食における植物たちの反応は、私たちの植物に対する見方をいくらか変化させるものかもしれません。
その変化を記録したのなら今度はそれを意図的に木に流して反応を見ないと。
おそらくは地面を通じてなのでしょうが交信をしているのであればそれを使って多数の木の反応をコントロールできるわけですし。