マイクロ波でプラスチックを温める方法
![ビニール袋の重量の14%が水素。そのためプラスチックは優秀な水素源とも言える](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/e82c7277fd4c42a498c8d773a6b57689-900x507.jpg)
イギリス・オックスフォード大学のピーター・エドワーズ氏は、ブラスチックの再利用技術を研究していました。
代表的なプラスチックであるビニール袋は非常に厄介なゴミである一方で、重量比にして14%の水素を含んでいることが知られています。
もしこの水素を簡単に抽出することができれば、廃プラは一夜にして燃料電池を充電する電力源にうまれかわります。
ただ問題は方法でした。
プラスチックから水素を抽出するには、理論上、高い温度が必要とされており工程も複雑です。
そこでエドワーズ氏らは電子レンジの原理を応用することを思いつきました。
電子レンジはマイクロ波を発することで、内部の水分子を振動させて熱を生じさせます。
ただプラスチックは水分子と異なり、マイクロ波ではうまく加熱できません。
タッパに入った食材を電子レンジで温めても、加熱されるのは食材のみで、容器のプラスチックは熱くならない…という事実は誰もが知る常識でしょう。
そこでエドワーズ氏らはある「ひと手間」を加えることにしました。これが、後に大きな成果をもたらすことになるのです。