ハイテクとローテクの融合で謎に挑む
しかし今回、ドイツのマックス・プランク研究所の研究者たちは見事、この難関を突破しました。
研究者たちは現実の魚の動きを模倣するために、モーターにあたる駆動装置に「中枢パターン発生器」と呼ばれる、神経回路を模倣したバイオ風の機構を取り入れ、魚の自然な体のうねりを再現しました。
一方で、水の可視化にはインクが用いられました。
インクは魚ロボットの後方から少しずつ放出され、ロボットの動きが作り出す水の動きに乗って移動します。
ロボットとインクという組み合わせは、ハイテクとローテクが結びついた、見事な実験モデルと言えるでしょう。
研究者たちはこの魚ロボットを様々な条件の元で1万回にわたって、単独とペアの両方で泳がせデータの収集を行いました。
すると、単独でおよいだロボットとペアの後方で泳いだロボットの電力消費量に、明らかに違いがみえてきました。
ペアの後方の魚ロボットはより少ない消費電力で、より多く動くことができることができていたのです。
またインクによる水の動きの可視化は、その原因も明らかにしました。