「発音するときの脳の働き」を抽出する脳インプラント
まず被験者に脳インプラントを埋め込みます。
脳に埋め込まれた電極は、被験者が話そうとして声帯の筋肉に送る信号をキャッチ。
そしてコンピューターがこの信号を解読して文字に変換することで、画面上に被験者が話そうと思った単語を表示させることができました。
とはいえ脳内の言葉を抽出するには多くの時間と労力が必要でした。
まずチームは日常生活で利用する「水」「家族」「良い」などの50種類の単語を用意。
その後、被験者には数か月にわたり繰り返し「頭の中で発音」してもらい、その脳信号をニューラルネットワークに学習させました。
結果的に、現在では1分間に約18語を画面に表示させて会話できるようになっています。
例えば「水はいかがですか?」という質問に対して、「いいえ、喉は渇いていません」と返答できました。
研究チームによると、「麻痺患者の脳活動から単語を直接解読できた最初の例」とのこと。
今後はアルゴリズムの改善により、抽出の精度と速度をさらに向上させていく予定です。