「使わない筋肉の維持」がもたらす未来
骨格筋(体を動かす筋肉)は運動やトレーニングによって、使えば使うほど、強く大きくなります。
しかし、怪我や病気などが原因で筋肉を使わなくなると、すぐに弱く小さくなります。
つまりスポーツ選手は現役でいたい限り、ハードなトレーニングを休まずに続けなければいけません。
筋肉だけを見ても、「1年間休息してすぐに元のパフォーマンスを取り戻す」のは、ありえないのです。
このような筋肉の衰えは、骨折で安静にしていた高齢者が一気に歩けなくなるなどの問題を生んできました。
さらに未来の科学技術さえも阻むものともなっています。
例えば、宇宙飛行士がそうであるように、重力の小さい星と地球を行き来したり、どちらかで一時的に生活したりするためには、筋力の維持が必須です。
また人工冬眠技術を確立させて、「新たな救命治療」や「果てしない宇宙の旅」を可能にするためにも、筋肉の衰えに対処しなければいけないでしょう。
これらはまるで夢物語にも思えますが、実はツキノワグマたちの間では、「筋肉の衰え防止」が普通に行われています。