カフェインを控えすぎると記憶障害になるリスクが「3倍」近く増加すると判明
カフェインを控えすぎると記憶障害になるリスクが「3倍」近く増加すると判明 / 1日2杯のコーヒーは認知機能の維持に効果をもたらすと言われています。/ Credit : Canva
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カフェインを控えすぎると記憶障害になるリスクが「3倍」近く増加すると判明 (3/3)

2024.11.23 Saturday

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カフェインが認知証の原因物質「アミロイドβ」の蓄積を防止?

この研究では、ADやMCIの患者を対象に、コーヒーやお茶に含まれるカフェインが脳や記憶力にどんな影響を与えるのかを探っています。

ADの患者では、脳内のアミロイドβに関連する物質の量を測ると、カフェイン摂取がその物質に影響して脳の働きが変化する可能性が示唆されました。

このアミロイドβは、健康な人の脳内でも生成され、通常は分解・排出されますが、何らかの原因で脳内にアミロイドβが蓄積すると、毒性のある物質が脳に蓄積し、脳細胞が徐々に死滅して記憶力の低下が進む可能性が高まります(下図参照)。

この研究では、カフェイン摂取が脳内のアミロイドβの増減に関わっており、カフェインの摂取量が少ない人ほど記憶力の低下が進むことから、カフェインが記憶力や認知機能に対してプラスの効果を持つ可能性が示唆されています。

また、今回の研究については、カフェインと認知機能の関係に関する過去の研究と一致する結果も得られています。

例えば、Maiaとde Mendonçaの研究では、「ADの患者は過去20年間のカフェイン摂取量が平均して少なかった」ことが報告されています。

同様に、Caoらの研究では、「アルツハイマー病に進行するMCIの患者は、進行しない患者と比べて血液中のカフェイン濃度が低い」傾向が見られています。

さらに、動物を用いた実験では、カフェインが脳の「海馬」という部分にある神経の結びつきを強める効果が確認されています。

この神経の結びつきは、記憶や学習にとって重要です。

つまり、カフェインには脳の神経を柔軟にし、記憶力を維持する働きがあるかもしれません。

このように、カフェイン摂取がADの予防や進行の抑制に役立つ可能性が見えてきた一方で、カフェインが脳に対してどのように働くのか、その仕組みについては、さらに研究が求められています。

ここで、カフェインをどのように摂取するかについての注意事項です。

例えば、遅い時間にカフェインを摂取すると睡眠に影響を与える可能性があり、睡眠も長期的な神経機能に影響を与えるようです。

チョコレートやエナジードリンクを過度に摂取すると糖分の過剰摂取につながり、逆に認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

現在、カフェインの効用に関する研究が多いことを踏まえると、朝のエスプレッソ、昼のカフェラテ、会議の合間のコーヒー等を積極的に取り入れる価値は大いにありそうです。

因みに、全日本コーヒー協会はコーヒーの適量として1日3杯を推奨しています。

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アミロイドβの蓄積状況 / Credit : 新潟大学脳研究所公式Website

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