タンパク質と食物繊維の摂取はより良い睡眠をもたらす
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この研究では、特にマクロ栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)や食物繊維とミネラル(ナトリウム、カリウム)、睡眠の質を示す指標(総睡眠時間、夜間の覚醒時間、寝つきの速さ)を重視して分析しました。
そして解析の結果、いくつかの興味深い事実が明らかになりました。
まずタンパク質を多く摂る人は、総睡眠時間が長い傾向にあると分かりました。
これは、タンパク質が睡眠ホルモンであるメラトニンやセロトニンの合成に関与している可能性を示しています。
また、食物繊維を多く摂取している人は、総睡眠時間が長くなり、寝つき時間と中途覚醒が短くなることも分かりました。
つまり、タンパク質と食物繊維は、睡眠の質を向上させる可能性があるのです。
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一方で、脂肪やナトリウムの摂取量が多いと、睡眠時間が短くなったり、中途覚醒が長くなったりすると分かりました。
しかし脂肪の種類で効果は異なり、飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸が多いと睡眠の質が低下しますが、多価不飽和脂肪酸(オメガ3など)は睡眠の質を向上させる可能性があります。
加えて、炭水化物を多く摂ると、寝つくまでの時間は短くなるものの、摂取量が極端に多すぎると睡眠が浅くなる可能性があることも示されました。
今回の研究は、食事と睡眠の因果関係を示す点で限界があります。
それでも、客観的データに基づいて、食事の栄養バランスが睡眠に与える影響を示した点で画期的でした。
今日の食事を工夫することで、明日の朝の目覚めが変わるかもしれません。
もし、よく眠りたいなら、タンパク質と食物繊維の摂取を心がけ、脂肪は控えめにしてみてください。