本来は柔軟性がある氷
この画像がぐにゃりと曲げている物体はなんでしょうか?
なにか細い針金のように見えますが、これは歴とした水氷です。
中国・浙江大学が発表した研究は、この柔軟性に富んだ不思議な氷の作り方についてです。
しかし、それはなにか特殊な材料を使って氷を作るというものではありません。
ただの水を凍らせて作る普通の氷なのです。
物体の破壊というものは、どのくらいの力に耐えられるか? というよりはどこまでの変形なら耐えられるのか? という割合が重要になってきます。
力を加えて変形させても、力を取り除くと元に戻れるひずみは、弾性ひずみといいます。
理論的には氷の最大弾性ひずみは約15%あるとされています。
けれどこれまで実際に測定された氷の最大弾性ひずみは0.3%以下しかありません。
これはつまり、氷はほんとうなら高い柔軟性を持っているのに、通常の氷の結晶には構造上の欠陥があり、本来の柔軟性が発揮できず簡単に壊れてしまうと考えられるのです。
そこで、浙江大学の研究チームは、その構造上の欠陥ができるだけ少ない氷を作ることを試みました。